当道場の古い手帳に記されていた事柄を記載致します。

1.参禅者は師家に帰命し常に求道の念を堅持し、仏法僧の三宝に帰依していささかもなまけることなく大願成就するまで初心を貫き修行すること。

2.参禅者は道場の旧参者(先輩)の指導に従うこと。

3.日課時間表の定めに従って正しく、速やかに、動作して他人に迷惑をかけないこと、又他に約束した事は責任を持って行うと共に、総ての行事に対しては素直な気持ちで、真面目にやること。

4.お経は心の中心となるものであるから勤行(おつとめ)によって崇高な自性を磨き、合掌によって自己の心を礼拝すると共に、信心と願心を養うこと。

(1)経本は合掌した拇指の間にはさみ持って、目の高さ迄捧げ厳粛に扱うこと。腹の底から声を出し耳で聴く事。

5.坐禅は自己に打ち克ち天地と同根、万物と一体の心を養うことである。そこから一切が生まれる。

(1)坐禅は当道場での重要な自己修練の方法であるから教えられた通りたとえ短時間でも自己の全力をつくすこと。

(2)坐禅は総ての道に通ずる根本である。

(3)坐禅は自己の良心(仏性)を自覚し、力強い人間性をつくり上げる道である。

6.作務は勤労の精神を培うと共に孜々として励み自分の心の塵や汚れを取り去るように心がけ、何事に対しても親切心をもって従うこと。

(1)みだりに高声、私語、放歌してはならない。

(2)便所掃除など、人のいやがること、又は他人の気付かない良い事は進んで行うこと。(禅門ではこれを陰徳を積むと称し最も大切な修業者の根本理念として尊重する)

 

以降は次回に・・・。